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大寺廃寺


場所:埼玉県日高市山根1316

大寺廃寺は、毛呂山丘陵南端に位置しており、日高市と毛呂山町にまたがって存在している。

昭和56~60年にかけて寺院の発掘調査を行った結果、建物跡5棟、中世の遺構1基が検出された。 市の文化財に指定されたのは、礎石を伴う東西3間(6.9メートル)、南北3間(7.9メートル)のやや南北に長い建物跡1棟である。
日高市教育委員会によると、遺物は8世紀後半から10世紀にかけてのもので、 建物の屋根に葺かれていた平瓦、丸瓦、軒平瓦、軒丸瓦、鬼瓦、生活に用いていた須恵器の坏、甕、建物物の 隅に吊り下げられる銅製風鐸(ふうたく)、 鉄釘などの金属製品、金属を鋳造するときに使う坩堝(るつぼ)が出土している。 鬼瓦は外形がアーチ形で、目は透かしで吊上がり、上向きの小振りな鼻が付けられている。

大寺廃寺は、創建期の平城宮系の軒丸瓦から高麗神社の高麗氏の私寺(氏寺)として建てられたものではないかと推測されているようだ。 近くには大寺廃寺と同時期に建立された高岡廃寺や女影廃寺(若宮遺跡)などもあるようだが、 高岡廃寺はゴルフ場の増築に伴い、埋められてしまい、女影廃寺は不明な点が多く場所もわかっていないようだ。










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