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吉見百穴(よしみひゃくあな、ひゃっけつ)


場所:埼玉県比企郡吉見町327

吉見百穴とは、古墳時代後期の横穴墓群の遺跡である。国指定の史跡。
凝灰岩の岩山の斜面に多数の穴が空いており、穴の数は219個で、 このような遺跡としては日本一の規模を誇る。 穴の入り口は直径1メートル程度だが、 中はもう少し広くなっていることが多い。

古墳時代後期(6世紀~7世紀頃)に造られたものであり、 多くの古墳が通常は土を盛った小山の中に1つだけ玄室が存在する構造であるのに対し、 岩山の表面から数メートルの小穴を多数掘って造られた集合墳墓である。

多くの穴に古墳と同様の台座状の構造があり、ここに棺桶を安置したとされる。 台座は穴により複数存在することもあり、このような穴には家族単位で葬られたものと考えられている。

場所により、穴の並びが不規則なところもあれば、ある程度整然と並んでいるところもある。 不規則な箇所は比較的初期に、整然と並んでいる箇所は後期に造られたものと考えられている。 また、下方にある穴の中には、ヒカリゴケが自生している。これは天然記念物に指定されている。

太平洋戦争中、この岩山の地下に軍需工場を建設するため、 その出入口として岩山の最下部に大きなトンネル(直径3メートルほど)が3本掘られた。 この際、元から存在していた横穴が数個崩されて消滅している。 現在、軍用トンネルの奥は危険なため、途中から鉄柵でふさがれている。












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